

大阪教育大学卒業後、中学校教諭を経てフリー。イラストだけでなく、エッセイ、コラムも好評。ビールを中心とした食文化や野球、街角にも超精通。日本地ビール協会公認のマスター・イバリュエイター、シニア・ビアジャッジ。主な著書は「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎)、「beer mania!」(日之出出版)他多数。「Beer&Pub」(プラネットジアース社)編集長。
<藤原ヒロユキ氏ブログ>
http://www.goyard-club.com/fujiwara_blog/


銀河高原ビール醸造課主任。主に商品開発、品質管理等担当。造り手としての知識もさることながら、岩手にいながらにして、ビアバーの最新情報は東京のスタッフよりもなぜか詳しい。趣味は車(雪国なのに2シーターのスポーツカーを好んで乗る)、格闘技などなど。台湾に住んでいたこともあり、そちら方面についても精通。謎の人脈を持っている。社内では「ヴァイツェン王子」と呼ばれているとかいないとか?
<醸造所ブログ>
http://gingakogen.blog82.fc2.com/
藤原ヒロユキ氏(以下、F):「ペールエール」。いよいよ全国発売。楽しみだね。
1月にビアバーで行ったビールのイベントでも人気あったよ。
銀河 柴田(以下、S):ありがとうございます。でもうちのペールエールは「おきて破り」かも。
ビアスタイルに準拠して造っていますが、若干銀河流にアレンジを加えております。
F:ホップの種類を変えてるの?
S:ホップはイギリス原産のノーザンブルワーを苦味づけに使用。
香りづけとフレーバリングにはドイツ産スパルトセレクト(ノーブルタイプホップ)ともうひとつを隠し風味に使っています。
モルトには、ヴァイツェンでも使用しているドイツ産モルト(淡色モルト)を使用しています。
F:なるほど。
立ったまま夢中で話すお2人、「どうぞお座り下さい」とうながす。
柴田の「レシピの秘密」を見ながら2人で。自らBOP(※Brew Of Premiseの略。ビールメーカーの施設を借りて一般の人がビールを造ること)をしている藤原さんは興味津津。
S:これですね…
F:うんうん。
S:ビール酵母は伝統のイギリスのエール酵母(※上面発酵酵母。フルーティな香りとコクが特徴)を使用しています。凝集性(※発酵が終わったら沈む性質)が高いものを使用していますので、発酵が終わったら沈んでくれるのでろ過の必要がない。したがって無ろ過です。
F:香りが良かったよね。
S:発酵過程の温度管理において、初期に酵母に無理して働かせることで香りが生まれます。
F:日にち的にはどれくらいかかるの?
S:全部で3週間(21日)から24日みています。キレとコクのバランスが非常に難しいですね。
S:(数字見せる)これがスペックです。
今回のテーマが「ビタースウィート」だったので、完全に食いきらせずに甘みを残しつつ、発酵の温度管理に苦心しました。もたつかず、甘みも残しつつ、のバランスが重要。
F:確かに糖度が高めだね。他のビールは?
S:ピルスナーやヴァイツェンはペールエールの80%前後。スタウト(※モルトのコクとローストした麦芽の風味が強いビールの種類。濃色ビール)と同等くらいコクを残しているのが「銀河高原ビールペールエール」の特徴なんです。
F:IBU(※ビールの国際苦み単位)25。そんなに苦味は強調していないよね。
S:テストではIPA(※Indian Palealeの略。ペールエールをさらに苦味を増したビアスタイル)も造りましたが、一部の人しか飲まないだろう、と。一般の人も気軽に飲めるような、「エール系入門者」向けビールを目指しました。
ここで飲んでいただきましょう。
F:いただきましょう。(香りを確かめながら…)結構ホップ感じるよね。香りね。うん。これ、いいよね。
S:ホップに関しては、使用する順番をかなり工夫したんですよ。
F:そうなんだ。
S:いろいろテストしてみたのですが、飲んだ方の意見は様々なので・・・うちのスタッフが飲んでおいしいものにしようと。なのでかなり欲張っちゃいました(笑)。
F:具体的には?
S:どちらかというと、プロポーションがはっきりしているよりは、「全部入り」がすき。でも曇ったものにしたくなく、議論しながら味を決定していきました。
F:カーボネーション(※炭酸ガスから生じる泡)がしっかりしてるね。ずっと泡が残ってる。
S:うちのはほぼ「無調整」。自然の炭酸ガスなんです。
F:へーえ。これ全部自然なんだ。
モルトのキャラクターもしっかりしていて、いいじゃないですか。だから、1月19日にビリー・バルゥーズ・ビア・バーのイベントで飲んだとき人気だったよ。
(ビリー・バルゥーズ・ビア・バー青山店)
S:どういう方が来るんですか?
F:3分の2くらいは、ビールイベントで飲むような人たち。そういった飲みなれた人にも好評だった。
F:ところでなんで、ペールエールだったの? 銀河といえば「ドイツ純粋令」のイメージが強いけど。
S:そうですね。実は1996年の操業以来、ヴァイツェン(ドイツ)、スタウト(アイルランド)、ピルスナー(チェコ→ドイツ)を造っています。おっしゃる通り、“ビール純粋令”(麦芽・ホップ・水だけでビールを造る)を守っておりますが、ビールのスタイルでいえばドイツビールだけというよりは、広く「ヨーロッパのビール」という位置づけで商品を考えています。
F:レストランではどこで飲めるの?
S:今のところは、樽での提供というより、広く一般の量販店・酒販店での販売となります。希望小売価格は273円(税込)です。
ところで、この缶デザインはどうですか?
F:意外とデザインって大切やからね。良いのではないですか。
S:事前の準備を含め、半年くらいかかりました。液種を缶の色にするのに苦心しました。
F:発売が楽しみですね。




